抽出型質問応答のためのQ-LoRAを用いたLlama 3.2 11Bのファインチューニング
大規模言語モデル(LLM)は、自然言語処理において不可欠なツールとなり、さまざまなタスクを処理する能力を持っています。しかし、広範なトレーニングのため、特定のアプリケーションではさらなる適応が必要です。Q-LoRAのようなファインチューニング技術を使用することで、研究者はLlama 3.2 11Bのような事前学習モデルを特定のタスク、例えば抽出型質問応答に合わせて調整できます。本記事では、SQuAD v2データセットを使用してQ-LoRAを用いたLlama 3.2 11Bのファインチューニングプロセスを概説し、この方法によって達成されたパフォーマンスの向上を示します。
LoRA(Low-Rank Adaptation)は、元のパラメータを変更することなく、既存のモデルに新しい重みを導入する技術です。特定の層の出力を調整するアダプタ重みを追加することで、LoRAはモデルが事前学習した知識を保持しつつ、特定のタスクに合わせた新しい能力を獲得することを可能にします。この実験では、抽出型質問応答のためにLlama 3.2 11Bのファインチューニングに焦点を当て、ユーザーのクエリに直接応答する正確なテキストセグメントを抽出することを目指しています。実験は、Google Colabプラットフォーム上でA100 GPUを利用し、Hugging Face Transformersライブラリを使用して実施されました。
ファインチューニングプロセスの結果は有望で、検証セットにおけるモデルのパフォーマンスが大幅に向上しました。BERTスコアは0.6469から0.7505に改善され、正確な一致スコアは0.116から0.418に上昇しました。これらの改善は、Q-LoRA技術が抽出型質問応答タスクに対してLlama 3.2 11Bモデルを効果的に適応させることを示しています。本記事は、他のモデルやタスクに同様の方法を適用しようとする研究者のためのガイドとして機能し、自然言語処理の分野におけるファインチューニングの可能性を強調しています。